2008年3月25日 (火)

グイン・サーガタイトルにおける「定形」とは何か その3

今回は定形の分析です。

「定形中の定形」
『豹頭の仮面』『荒野の戦士』からはじまる『「単語」の「単語」』というのが109巻(77%)です。これをさらに細かく見ることもできますがそれはまたあとで。

「定形だけどちょっと違う」(の…の形)
『闇の中の怨霊』
『ヤーンの時の時』
『魔王の国の戦士』
『夢魔の四つの扉』
『鏡の国の戦士』

「定形だけどちょっと違う」(への形)
『パロへの帰還』
『永遠への飛翔』
『ノスフェラスへの道』
『パロへの長い道』

「定形といえないこともないけど…」
『赤い街道の盗賊』
『ゴーラの一番長い日』
『もう一つの王国』
『北の豹、南の鷹』
『星の船、風の翼』

以上のように分類することができます。

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2008年3月21日 (金)

グイン・サーガタイトルにおける「定形」とは何か

短期集中連載

グイン・サーガタイトルにおける「定形」とは何か

 グイン・サーガは本編120巻、外伝20巻におよぶ超大作です。そしてその内容だけでなく、各巻のタイトルは様々な趣向をこらしており、大変興味深いものです。私などは次巻のタイトルを知ると、それがこれまでとどうつながっていくのかを考えてわくわくしてきます。

 さて、グイン・サーガのタイトルにはいわゆる「定形」というものがあります。「今回のタイトルは定形だ」とか「次回のタイトルは定形と言えば定形といえるけど…」、「今度のタイトルは定形外です」などと使われます。…使っているのは一部の人かもしれませんが(笑)

 今回、人名長者の総力を挙げて(というほどのことでもないですが)グイン・サーガタイトルにおける「定形」に迫ってみたいと思います。

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2006年11月23日 (木)

パロ組織図

Paro 流れゆく雲でわりとくわしく描写されていたので作ってみました。たぶん組織図の変更はパロが一番激しいですよね。

黒竜戦役以前
黒竜戦役後
ナリス引退後
パロ内乱中
パロ内乱後

今回のはパロ内乱後のものです、まだ疑問点も多いのですが。たとえばクリスタル市長ってどこに位置するのかとか、宰相にこんなに権力集中していていいのかとか、また作り直していくつもりですので、ご意見等ありましたらお聞かせ下さい。他のはおいおいに…

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2006年10月10日 (火)

20000

 人名リストのデータ数が20000人をこえました。グイン・サーガの再読に伴い、これまでデータとして入力していなかった神様や動物のデータも入力するようにしたところ、一気にデータ数が増えて20000人になりました。あくまでものべ人数なのですが、20000人分のデータは膨大です(笑)

 もっとも、データベースってデータ入力しただけじゃ使い物にならないのですよね…これからインデックス打って、目次つくって分類して…この新しい人名リストを分析してなにか面白いネタがかけるようになるにはまだまだこれから数ヶ月はかかると思います。気長にお待ち下さい。

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2006年9月19日 (火)

クム組織図

最近の舞台となっているクムの組織図を作ってみました。もちろんこれは公式設定じゃなくて、このように読み取ることが出来る。という個人的な思いこみによるモノですから、ご意見等ありましたらぜひお願いいたします。ちなみにこれはタリク即位の時点でのものです。最新刊によるとタイス侯爵は別な人になっているみたいですね。きっとクムの内部でもいろいろあったのでしょう、最新刊を読むのが楽しみです。Kumu

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2006年9月 9日 (土)

人名リスト作りは楽しいのでしょうか?

楽しいです(笑)

もともと私が「分類や整理」が嫌いじゃないというのもあるのだと思いますが…それよりも「グイン・サーガの世界」が好きだからだと思います。「グイン・サーガの世界」を直接のぞくことが出来るのは栗本薫さんだけで、それを百数十冊の作品として私たちに見せてくれているのです。義務だと思ったら、これはとてつもない労苦だと思いますが、「グイン・サーガの世界」をほんのちょっとでも深く楽しむための遊びだと思えばこんなに楽しいことはありません。

表現の違いを「間違いじゃないか」と思うよりも、合理的な説明を考える方が面白いですし。端々に出てくる神々や伝説をまとめてみたいし、動物辞典も充実させたいし、中原各国の組織図(相関図じゃなくて、軍事・政治的な組織図)もつくってみたいし…私はせっかくの栗本薫さんが読ませてくれるグイン・サーガでもっともっと楽しみたいのです。

だから人名リスト作りはとても楽しいです(笑)それがさらに栗本薫さんの調べ物の参考になっているのだとしたらこれ以上光栄なことはありません。

以上 人名長者の主張でした(笑)

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2006年6月27日 (火)

子のつく名前

左のカレンダーを見ると、更新していないのが火金だということがすぐわかります(笑) きっと苦手なネタなのでしょう。まあ、ぼちぼち更新しますので長い目で見守ってください。
さて、一番多かった「子」ですが「麗子」「京子」「和子」でした。それぞれ7人います。続いて「幸子」「由美子」「礼子」が6人、「雪子」「恵子」「洋子」が5人となっています。この辺が良く出てくる「○子」さんですね。

今日のネタは「栗本さんちの恵子さん」というのはいかがでしょう。

恵子…沢野の婚約者(ライク・ア・ローリングストーン)
川崎恵子…無職18歳 殺人事件の被害者(真・天狼星)
島田恵子…高校一年生 殺人事件の被害者(ぼくらの時代)
古田恵子…K大の学生 活動家(伊集院大介の青春)
神田恵子…二十六歳の放蕩娘(ハード・ラック・ウーマン)

なんと5人中3人が被害者…あとひとりは犯人というなんとも報われない栗本さんちの恵子さんなのでした。

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2006年6月13日 (火)

数年前の電車の中での出来事です。小学校低学年らしき女の子が2人、友達のうわさ話をしていました。
「そういえば、○○子ちゃんの名前ってめずらしいよね」
「そうそう、なんとか子って、おばあさんの名前みたいだよね」
…電車の空気が凍りましたね。言われてみれば息子の幼稚園の同級生にも「○子」という名前はほとんどありません。いまの子供の世代からすると「○子」という名前っておばあさんの世代なんですね…せめてお母さんといって欲しかった。

ということで。今回は「子」の付く名前です。人名リストを開いて末尾が「子」で検索すると、412件ヒットしました。その中には「東海公子」や「夢幻公子」「酒呑童子」「ステファンの六つ子」なんてのもありました。それらを消していわゆる女性名の「○○子」を選び出すと、全部で204種類の「○○子」が見つかりました。

で、何という名前が一番多かったかは次週のお楽しみと言うことでお願いします。もったいぶっている訳じゃなくてまだ数えてないのです。単純集計だけなら簡単なのですが、そのデータの詳細を確認して、同一人物をひとりに直さなきゃいけないもので…がんばります。

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2006年6月10日 (土)

わかる人限定の小ネタ

『パロへの長い道』を読んだあとの我が家での会話。

「…フロリーは、あのお城に行っちゃやばいよねえ」
「…たしかに、だってフロリーだもんねえ」

ああ(^^;) わからない人ごめんなさい。
でもこういうネタにすぐ反応してくれる人が奥さんで私は幸せです(笑)

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2006年5月30日 (火)

グイン・サーガの人名の傾向と対策2

先頭ばかりじゃ面白くないので末尾の文字も考えてみます。おさらいのために前回の結果を…

「ア」ではじまる名前…110種類
「カ」ではじまる名前…55種類
「タ」ではじまる名前…50種類

というのが上位でしたが、末尾の文字はもっと偏っています。

「ス」で終わる名前…341種類
「ン」で終わる名前…295種類

つまり、グイン・サーガに出てくる名前のうち2つにひとつは「ス」か「ン」で終わるんですね。じゃあ、「ア」ではじまって「ス」で終わるのは何種類あるのかとか、少ないのは…というのは来週以降のネタにさせてもらいます。 

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2006年5月23日 (火)

グイン・サーガの名前の傾向と対策

グイン・サーガ本編+外伝で1226種類の名前が確認できました。
とにかく多いのが「ア」ではじまる名前です。110種類、「カ」が55種類、「タ」が50種類、でも「カ」は「ガ」とあわせると88種類、「タ」も「ダ」とあわせると92種類になります。
まあ、濁音があれば有利とは限らずに「ヒビピ」は合計で12種類しかありません。「マ」が53種類、「ル」が53種類、「リ」が49種類あたりが上位だと思います。「ア行」は209種類、「ラ行」が202種類

少ない方は、なんと「ヌ」ではじまる名前はひとつしかありません。「ノ」と「ツ」が2つずつでそれに続いています。ナ行は全部で29種類しかありません。

ちなみに「ヌ」ではじまる名前は有名なので皆さんおわかりだと思いますが、「ノ」ではじまる2つってわかりますか? ちなみに私はわかりませんでした(爆) 人名長者なんて名乗っていてもリストがなければそんなものです(開き直り)

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2006年5月16日 (火)

ウマの名前

馬ではなくウマ(UMA)である、というのは2巻のあとがきでしたっけ?今回はグイン・サーガにでてくるウマの名前で遊んでみます。

ウマの名前のデータは45件、単一化すると19頭のウマの名前が出てきます。有名なのはイシュトの「はやて」とスカールの「ハン・イー」ですね。これらは何度も名前が出てきます。スカールの馬には「ハン・××」と名前をつけているらしくスカールが乗っている馬は全てこのパターンの名前です。きっと同じ血統のウマなのでしょう。では問題です。次のうちスカールが実際に乗ったウマはどれでしょう
1 ハン・ガー(衣紋掛け?)
2 ハン・バー(飯場)
3 ハン・テン(半纏)
4 ハン・ソロ(???)
5 ハン・メー(判明)

なぜかクイズになってしまいましたが(笑)わかったらコメントに書き込んでください。 

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2006年4月29日 (土)

まだ姓の話を続けるのか…

姓の先頭の文字を調べてみました。左が「日本の姓の全国ランキング」の上位10文字、右が「栗本薫作品人名リスト」の上位10文字です。上位20文字ぐらいを比べると全体的にはほぼ一致しています。

小 大
大 高
中 小
高 松
三 佐
山 山
田 藤
上 田
西 川
川 西

特徴的なのは、栗本薫さんの作品では「上」ではじまる姓がわりと少ないことと、反対に「松」ではじまる姓がかなり多いことです。「松」ではじまる姓は「日本の姓の全国ランキング」だと「小」のほぼ三分の一しかないのですが、栗本薫さんの作品では「小」ではじまる姓と「松」ではじまる姓はほぼ同数です。…ということを書いているのをうしろで見ていた妻が一言「…使ってたソフトが『松』だからね(笑)」
なるほど!

次回予告
漢字ばっかりみていて頭が痛くなってきたので次はグインの人名リストから何かネタを探す予定です。

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2006年4月27日 (木)

姓の漢字

姓に使われている漢字は圧倒的に「田」が多いようです。これは栗本薫さんの作品の登場人物でも同様で、1218種類のうち135姓、なんと姓を持つ登場人物9人につき1人の割合で「田」がついているんですね。全国平均では「田」のつく姓を持つ人は14人に1人の割合なので、栗本薫作品の登場人物における「田」の使用頻度は比較的高いと判断できます。

左が全国の姓のデータ、右が栗本薫作品人名リストのデータです。

田  田
野  川
川  村
山  野
谷  山
井  井
木  島
本  木
原  原
小  藤
大  崎
村  大
沢  松
中  高
岡  沢

上位20位で考えると、ほとんど一致しています。しいて差異を探すならば「村」です。全国の姓のデータでは「村」と「沢」の出現度合いはほぼ同じなのに対して、栗本薫さんの作品では「村」は「沢」の倍の頻度で出現しています。これは作品中の人物の名前における傾向と考えられます。

ついでですが(笑)
姓に多く使われている漢字が「田」「野」「川」「山」「谷」「井」「木」だというのはとても面白いですね。

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2006年4月25日 (火)

姓に使われる漢字って…

以前にも紹介した『日本の姓の全国データベース』に、姓に使われている漢字のデータがありました。それを栗本薫作品の人名リストと比べてみます。何か発見があるといいのですが…

日本の姓の全国データベースの上位10000姓の平均文字数は2.04文字、字数分布は以下のようになっているそうです。

1文字姓 3.62%
2文字姓 88.75%
3文字姓 7.58%
4文字姓 0.005%

では、人名リストのデータを見てみます。人名リストで集計されている姓は1218種類、平均文字数は2.01文字。ほぼ全国の姓の平均と同じですね。

1文字姓 73姓(6.0%)
2文字姓 1061姓(87.1%)
3文字姓 81姓(6.7%)
4文字姓 3姓(0.2%)

字数分布もほぼ同じですね。ちょっと面白かったのは全国のデータベー上位10000姓に5つしか入っていない4文字姓が3つも入っているところですね。ちなみに3文字姓81のうち「小」で始まるのが10姓、「大」で始まるのが8姓ありました。

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2006年4月24日 (月)

栗本さんちのケイさん

まあ、ケイさんが多いのにはちゃんと理由がありまして。完全な名前が「ケイ」なのは実は3人しかいないのです。じゃああとの6人はというと「愛称がケイ」なんですね。6人のうち4人は本名も判明しています。本名わからない「愛称だけ出ていてケイ」が2名です。

本名が「ケイ」の3人(2名が被害者)
朝香ケイ…行方不明になったモデル(『天狼星』)
渥美ケイ…ロック少女、猟奇殺人の被害者(『真・天狼星』)
島内ケイ…少女マンガ家 のちヤスの奥さん(ぼくらシリーズ)

愛称がケイ(本名付き)(みんな悪いやつ)
黒崎圭一郎(『真・天狼星』)
榊原啓介(『真・天狼星』)
早野圭一(『青の時代』)
高倉啓一(『ぼくらの世界』)

愛称だけ出ていてケイ
ケイ…スタイリスト(「おいしい水」)
ケイ…受付の女の子(『あなたとワルツを踊りたい』)

愛称がケイの4人はそこそこ活躍?するメンバーなので解説は省きます。「啓」という漢字と「圭」という漢字、どちらが出現率が高いかなども今度調べてみましょう。

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2006年4月18日 (火)

よくある名前 つづき

つづきです。

集計結果を単一化すると
↓こうなります。

1位 次郎……14人、
2位 三郎……11人
3位 一郎……10人
4位 ケイ………9人
5位 四郎………8人
   五郎………8人

なんと見事な集計結果でしょう(笑)こんなにきれいに並ぶとは思いませんでした。ちなみに太郎さん、二郎さんは6人で15位でした。こういう結果が出るとなると、この「○郎」さんのなかにくいこんでいる「ケイ」さんが気になりますよね。

ということで次回は「栗本さんちのケイさん」です(笑)

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2006年4月17日 (月)

よくある名前

先日「栗本薫作品でよく出てくる姓」について集計しましたから、今度は「栗本薫作品でよく出てくる名前」の方に注目してみました。これは「漢字」を主に考えるかそれとも読みで考えるかによって微妙に違うのですが…どっちにしようかな。それでは「漢字が違うのは別」としてまず集計してみます。
例のごとく単純集計してみると。

1位 大介……47件
2位 四郎……35件
3位 竜二……27件
4位 雄介……25件
5位 カオル…23件
6位 忍、多一郎……19件
8位 薫…………17件
9位 風太、涼…16件

となります、例によって、大介さんは全部伊集院さんですから、これを単一化します。

ということで例によって…つづきます

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2006年4月15日 (土)

なぜ人名なのか?

あっという間に飽きそうな気がしていたのですが、なんだかんだでこのブログも3ヶ月続きました。ここでちょっと原点に戻ってみたいと思います。栗本薫さんの作品を人名から読み解く! というのが「人名長者の館」のテーマなのですが、ではなぜ「人名」なのか、ということについてです。

まゆら、という、ふしぎなひびきをもった名もまた、この夢の中からたちあらわれたような、この世ばなれのした少女には、これ以上に似つかわしい名は考えられぬ──この不思議な蝶の化身に、雪とか花とか、ましてやお加代、お美代とかいったありふれた名がついていることなど、冒涜にひとしいのである。(『魔剣 玄武の巻』より)

「名というものは、想像以上に真実にちかい。(略)」
「じゃ、おれの名は? 安西──これにも何か意味がありますかね?」
「あるとも、自分で勝手につけた名でないかぎり必ず意味がある。安西。重大な名だよ。」(魔界水滸伝 3」
「名前、という、生まれながらに人を決定する巨大な運命にさからうことはできん。」(「魔界水滸伝 8」)

「いったい、あなたのような人に、村瀬、という名字に、ふさわしい、ぴったりくる名前っていったいどんなんだろうってね。和夫とか秀夫とかっていうんだったら、ぼく驚きますよ。……一郎とか二郎でもたまげますよ。……薫とか光とか、それこそヤオイ小説にでてきそうな名前だったら、ぴったりだと思うけどますます現実感はうすれますよね。……でも、雅彦とか、秀樹とかいうのも想像がつかないし。といって、まあ、ジョウとかケンとかねえ……」(『TOMORROW』より)

「ひさこ、はどう書くのだろう。久子、だとは思えなかったし、寿子とか、尚子、というのも、あまりにも平凡で目の前のこの妖しい緑色の着物に包まれた不思議な花には似つかわしくなかった。友納、という名字のほうは、伊集院大介は気に入った。この女性がまた、鈴木さんだったり高橋さんだったり山田さんだったりするわけはない、と思えたのだ。」(『女郎蜘蛛』より)

『魔剣』は1980年の作品で、『女郎蜘蛛』は2005年の作品です。このどちらにも「人にはふさわしい名前がある」というコンセプトが流れているというのが、栗本薫さんの作品なのだとおもいます。その中で作品の中で性格付けをされてる主人公にどのような名前がつけられるのか、またその他大勢にどのような名前がつけられるのかは作品を読み解く上で重要な部分だと思うのです。

ということで今日も私は付箋片手に栗本薫さんの作品に読みふけるのでした。

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2006年4月 8日 (土)

栗本さんちの村田さん

人名リストを見ていると、全然関係ない作品のなかで同じ名前の人が似たような職業・性格で出てくることがあります。メインの登場人物ではない人を栗本薫さんが創造するときに「ある職業≒ある名前」という関係を見つけ出せないかと思っていろいろデータをいじっています。ということで今回は、以前ネタにした「多い姓」で上位にランクインした「村田さん」について調べてみましょう。
人名リストから村田さんを抽出して、その職業を調べてみます。

刑事(双頭の蛇) 
秘書(絃の聖域)
編集長(ロバート・E・ハワード還る)
刑事(ヴァンパイア)
マネージャー(ぼくらの時代)
鳶(大導寺一族の滅亡)
女子高生(優しい密室)
女子高生(ウンター・デン・リンデンの薔薇)
マネージャー(真夜中の天使)
記者(真夜中の天使)
サラリーマン(クリスマス・イブ)
マネージャー(青の時代)
ディレクター(ゲルニカ1984)
番頭(獅子)
床山(月光座)
バーテン(水曜日のジゴロ)
小学生(指)
女装男性(聖者の行進)

『絃の聖域』の秘書や、「獅子」の番頭さんは演奏者や役者の秘書や番頭なので、マネージャーみたいなものです。『大導寺一族の滅亡』の鳶さんも、大導寺家の虫干しを毎回手伝ってくれる人みたいですし、そう考えるとマネージャー・番頭さんに近いものとして分類できると思います。つまり「栗本さんちの村田さんはマネージャー・番頭さん系のひとである。と考えられるのです(本当かな??)。今後の村田さんのますますのご活躍を祈念して期待しましょう。

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2006年4月 7日 (金)

続・舞台のパンフレットより

続きです

『天狼星』(1997年作品)
エッセイ 栗本薫 雑談「天狼星」
「私と伊集院大介」「私とシリウス」「私の浅草」について語っています。『天狼星』の世界と栗本薫さんとの接点がよくわかるエッセイです。

『鬼火ヶ淵』(1998年作品)
エッセイ 中島梓 悪の美と倒錯の「四谷怪談」
四谷怪談の魅力、なぜ人は怪談話に惹かれるのか

『ギムレットの伝説』(1998年作品)
スペシャルエッセイ 中島梓 「カクテルをあなたと」
カクテルとの出会い、カクテルのたしなみ方、毛利さんとのであいなどについてのエッセイ。

『隣の宇宙人』(1999年作品)
スペシャルエッセイ 中島梓 「いさましいちびのソジャーナー」
人類が持つ、宇宙人へのそして宇宙へのあこがれを書いています。中島梓さんのこのタイプのエッセイは個人的にとても好きです。「火星の大統領カーター」のあとがきに通じるものがあるとおもいます。

『KILALA』(1999年作品)
スペシャルエッセイ 中島梓 「わが愛のヤクザ映画」
中島梓さんがヤクザ映画について語っております。最初にヤクザ映画にはまったのが中学高校の頃で、という話からヤクザ映画へのこだわり、ヤクザ映画の美についてのエッセイです。

『キャバレー』(200年作品)
スペシャルエッセイ 中島梓 「私とジャズ」
栗本薫 その後の「キャバレー」
これも珍しい、中島梓さんと栗本薫さんの二本立てエッセイです。中島梓さんのはジャズとの出会いから好きなジャズ、ジャズとのつきあいなどについてです。栗本薫さんのほうは矢代俊一君の今後について。『黄昏のローレライ』や『身も心も』が出たいま読むとなかなか面白いです。

『新撰組大変記』(2001年作品)
スペシャルエッセイ 中島梓 「新撰組随想!」
中島梓さんにとっての新撰組についてのエッセイです。想像力をかき立てる存在としての新撰組について語っています。

舞台のパンフレットは、舞台作品の上演中にしか販売されませんし、転載される可能性も低いのですが、エッセイにも興味深いものが多いので要チェックですね。

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2006年4月 6日 (木)

舞台のパンフレットより

中島梓さんの舞台作品のパンフレットからエッセイやショート・ショートを探してみました。

『いとしのリリー浅草編94』(1994年作品) 
特別エッセイ 栗本薫「多重人格の時代」
これからの世界は「多重人格の時代」に向かっていくだろう。という冒頭からはじまって、私たちが現代社会に対応するために出てきたヴァージョンアップが「多重人格」なのではないか、という仮説について語っています。

『サンタのクリスマス』(1994年作品)
CHRISTMAS HEARTFULL MARCHEN
中島梓 「星からきいたお話」
中島梓さん名義のショート・ショートです。珍しいですよね。お母さんがクリスマス島のサンタクロースの話をする、なかなか楽しいメルヘン・ショート・ショートです。

『グイン・サーガ 炎の群像』(1995年作品)
原作者特別エッセイ 栗本薫 「グイン・サーガ」のあやしい人脈
作者自身によるグイン・サーガの代表的な登場人物の紹介。なにしろ作者自身によるものなので遠慮斟酌まったくなし。アルド・ナリスは本文170行中40行を費やして語られています。やっぱりお気に入りなんですね。

『ヴァンパイア・シャッフル』(1996年作品)
スペシャル・ショート・ショート
栗本薫 「いま、お耽美の森をこえて……」
ヴァンパイア・シャッフルの登場人物アルカード伯爵と従者Xのはじめての出会い。お耽美編では究極のお耽美世界を、爆裂編では…爆裂なオチを用意してあります。
スペシャル・エッセイ
中島梓 「ヴァンパイアへの妖しげなるオマージュ」
おぞましい吸血の鬼たちがいかにして、耽美な、そしてセクシャルなイメージと結びつくようになったのか。日本の少女マンガ作品のなかの吸血鬼についてその魅力について語っています。

『サンタのクリスマス96』(1996年作品)
ショート・ショート 栗本薫 「悪魔のクリスマス」
本当はクリスマスのパーティーに出たいと思っている悪魔のルシファの所へ、クリスマスの仮装パーティーの招待状が届きました。こころあたたまるショート・ショートです。

長くなってきたので、途中で切ります。

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2006年4月 5日 (水)

続・単行本未収録作品

続きです

それが舞台のパンフレットなのです。舞台作品のパンフレットには、あらすじ、キャスト紹介などが掲載されていますし、演出家の言葉として中島梓さんのあいさつも載っています。作品によってはそれとは別にスペシャルエッセイとして、その作品に関するエッセイが載っているものがあるのです。これがなかなか多岐にわたっていて、一番多いのは中島梓さん名義のエッセイですが、栗本薫さん名義のエッセイや、栗本薫さん名義のショート・ショート、変わったところでは中島梓さん名義のショート・ショートなどもあるのです。「人名長者の館」は「栗本薫」さんの作品を収集しているのですから、舞台のパンフレットとはいえ栗本薫さん名義のショート・ショートを外すわけにはいきません。(ちなみに「中島梓」さんの文章を集めてないのは、個人では完全収集が不可能だからです、量が多すぎます、ごめんなさい、かんべんしてください(涙))
というわけで、舞台作品のパンフレットの中からショート・ショートを探してみました。もっとも、私も舞台作品のパンフレットを全部持っているわけではないので、他にもあるよ、というのをご存じでしたらご教授下さい。

というところで時間が無くなってしまったので、結果は明日。

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2006年4月 4日 (火)

単行本未収録短編

栗本薫さんは作品数の多い方ですので、リストを作っていると抜けがないかどうかが気になります。「人名長者の館」を立ち上げたのが99年の6月で、そのころはブックリストも旧版(1992年までのもの)しか出ていなかった(ずいぶんお世話になりましたが)ので、93年から99年までの作品については、他のサイトを調べたりして著作リストを埋めていった記憶があります。出版されているものについてはわりと簡単だったのですが、以前にも書いたように、単行本未収録作品をリストアップするのは大変でした。それでも、ブックリストも新版が出たし(「ラストサマー」はこれで発見した)、とりあえずもう抜けているのはない…と思っていたのですが、あったんですよ! まだ!

それは…

続く(笑)

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2006年3月30日 (木)

多い姓 つづき

つづきです。

ひとり1件として登場人物の姓を数えると、以下の順位になります。

1位 大導寺……23人
2位 安東………20人
   山田………20人
4位 佐藤………19人
5位 加藤………18人
   村田………18人
7位 松田………16人
8位 高橋………15人
   小林………15人

でした。大導寺さんはさすがにシリーズになっている一族ですから家系が複雑な分人数も多くなっています。安東さんも一門がそろってますから、名取りの人は皆「安東」さんですので多くなっています。『女郎蜘蛛』の友納さんも安東流の名取りだと云うことですけど、残念ながら「安東~」の名前は出てきませんでした。興味深いのが山田さんで、山田さんは20件登場して20人、つまり重なっているデータが0という珍しい例です。山田さん佐藤さん加藤さんあたりは、主要登場人物にはほとんど出てきません、「加藤泰彦」くらいですね。つまり「その他大勢の名前」として栗本さんがよく使うのがこのあたりの名前なのですね。村田さん、松田さんは並べると面白いので別項目を立てたいと思います。

ということで次の機会には「栗本さんちの村田さん」というのをやってみたいとおもっております。

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2006年3月29日 (水)

多い姓

「人名リスト」を検索して「姓」をもっている登場人物を抽出すると、3632名います。ほとんど日本人ですね、中国人は何人かいますけれど…韓国人って出てきましたっけ?それはさておき、これをまず最初に単純に集計してみます

結果です↓

1位 伊集院…48人
1位 大道寺…48人
3位 安西……46人
4位 伊吹……35人
5位 北斗……33人
6位 山科……32人
7位 森………25人
7位 村瀬……25人
9位 加賀……24人
10位 佐藤……23人

という順番になります。当然ですけどこれは「のべ人数」ですから、「伊集院」のほとんどは「伊集院大介」さんです。単一化して同じ人を1人として考えると「伊集院」は2人になってしまいます。(もうひとりは『仮面舞踏会』に出てきました。)この調子で単一化をして個人に分類していくと…おお、意外な順番に!!

つづく(笑)

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2006年3月13日 (月)

イニシャル・トーク まだ続く

その他のイニシャルを集めてみました。他にもあるのですが、さすがに英字1文字だと推理するのが難しすぎるので、わかりやすそうなものを選んであります。
といっておいて何なんですが、実は私、イニシャルトークが苦手なんです。イニシャルがなかなか名前に結びつかない…英語が苦手だからでしょうか?

こういうのを、情事、というのだろうな──僕はあるいは、そのことばのひびきそのものにあこがれてしまっているのかもしれない。あのW……とかいう官能作家の描く世界みたいな雰囲気に酔いたかっただけなのかもしれない。(『顔』より)

「いや、女編集者が物書きになったのは、K・Y……もあるしS・H……の例もある」【「おいしい水」(『天国への階段』収録)より】

例の霊感俳優のT・T……大先生のいうところの「死後の世界」のとば口にいるのではないか、という疑惑をぬぐい去れないのだけをのぞいて(『魔都』より)

「ファンっていったら、S……とかR……とか……片桐さんのは、嫌いじゃなかったけど、でもあの女どもが嫌いだったしな、あの……」
(中略)
「大体熱狂的なファンなんて、小説家のY……のファンも、K……のファンもみんなそうだけど、かなり異常なとこあるもんだけど」(『タナトス・ゲーム』より)

たいへん有名なイラストレイターのT・Yは、TVで対談した私に、唐突に、二十一世紀の存在を一回も感じとったことがない、というのだった。(中略)──その彼を、「要するに超能力をたまたまもっている少年」にすぎないといった出版社の社長H・Kは、もうメシアは次々と生まれているといい、(中略)気鋭の学者として名をはせたS・Kも破滅のことを云い、友人のマンガ家のKは、桜を見に吉野へいったとき、偶然に鬼の末裔の棲む村へゆくことになった話をして(「滅びの風」SCENE2 時の岸 より)

官能作家のW……は渡辺淳一でしょうね、不倫ものの代表作家ですから。女編集者から作家になった二人はわかりません、ご存じでしたら是非教えてください。霊感俳優のT・Tといえば丹波哲郎ですよね『大霊界』とかいう映画がありましたよね(見てない)『タナトス・ゲーム』のマンガ家や(たぶん)ヤオイ作家の名前は私の守備範囲外です。全然わかりません。「滅びの風」でわかるのは出版社社長のH・Kですね、これはもう角川春樹さんしかいないでしょう。まだ角川の社長だった頃の話ですよね。……今回、わからない人ばっかりでした。

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2006年3月11日 (土)

イニシャル・トーク つづき

この項目書くために『朝日の当たる家』の1巻を読んでいたら、どんどん続きが読みたくなって、結局全巻読破してしまいました。やっぱり面白いですね、この作品は。森田透ってかっこいいですよ。未読の方はぜひ読んでみてください、読んで後悔しない作品だと思います。

さてイニシャルトークの続きです

「他の奴は、何人もミリオン出してるじゃない。もっとブームの奴もいるし、十八かそこらでさ。Y──子のやつだってミリオンだよ。女優でさえ、ミリオン出すのに、本職のおれが──」
「映画のテーマソングと比べることないだろう」
(中略)
「──若いやつらは、いいね。S……隊とかさ。T……トリオとかさ。うらやましいと思う、ほんと。」
(『朝日の当たる家』より)

「映画の主題歌でミリオンを出した女優Y……子」 というのは薬師丸ひろ子でしょうね、1981年公開の「セーラー服と機関銃」は120万枚、1983年公開の「探偵物語」は84万枚ですから。ちなみに私も「セーラー服と機関銃」は持ってました(笑) ミリオンに貢献したんだなあ。捨ててないからきっとどこかにあるはずです。でもレコードプレーヤーがないからどうしようもないですね。S……隊かT…トリオは少年隊とたのきんトリオでしょうね、たのきんトリオって懐かしいなあ、たのきんトリオは1980年結成 少年隊は1982年結成ですから
当時はわかいやつらでしたが(笑) 今は…いやいや時のたつのは早いものです。

ところで、昨日のイニシャルトークで、書いた演歌歌手の「M……」は三橋三智也さんではないでしょうか?「演歌歌手、ミリオン」で検索してみただけなんですけど。1954年デビューでミリオンは18曲というのを聞くと条件に合っているなと思いますよね。

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2006年3月10日 (金)

イニシャル・トーク

『翼あるもの』、『朝日の当たる家』どちらも主人公の森田透がとてもいい雰囲気を作っている栗本薫さんの名作だと思います。もちろん島津さんもかっこいいんですが、森田透の成長物語としてのこの作品は多くの魅力的な登場人物のおかげでとても豊かなものになっていると思います。

さて(笑) イニシャルトークですが…『朝日の当たる家』は芸能界が舞台なので、芸能人がイニシャルで出てきます。以下はジョニーと透がジョニーのマンションで二人で語り合うシーンです。

「おれ──落ち目なの、このごろ」
(中略)
「K……のやつは、二百三十万いったって。S……子のも、連続トップでしょ。『背中で誘惑』トップ二週ですぐおちちゃった」
「あの連中はさ──」
透はことばを失う。
「K……は、あれ、デビュー・ヒットじゃない。あとが続くかどうかわかんない、一発屋のヒットだろ。ジョニーと全然、立場違うでしょうが」
(中略)
「ジョニーは、もう十曲くらい、ミリオン出してるんだからね」
「M……はもっとだしてるよ」
「あのお方は、違うでしょ。あれは演歌でしょ。第一、あっちは、芸能生活四十年──になるんじゃないの、そろそろ。あれとくらべたってしょうがない」
「そうかなあ」
「いいかげんにしなさいよ。ジョニーが、落ち目、なんていうと、いやみにきこえるよ。SとかNとかに」
(『朝日の当たる家』より)

朝日の当たる家の1巻は1988年に出版されていますので、その当時の芸能事情ですね。連続トップの「S……子」は松田聖子でしょうね、80年代を代表するアイドルですから。演歌で何曲もミリオンを出している芸能生活四十年の「M……」さん、三波春男でしょうね、美空ひばりは演歌じゃないですよね?この辺いまいち私にはわからない分野なので。落ち目のSさんNさんは見当がつきません。それと、デビュー・ヒットで二百三十万枚いった「K……」さんが私にはわかりません。どなたかわかる人がいたら教えてください。

イニシャルトーク『朝日の当たる家』はまだ続きます。

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2006年3月 3日 (金)

人名リストの作り方 おしまい

「人名リスト」を作るための最後の難関が「単行本未収録の短編」です。入手困難な単行本もあるのですが、本になっていればとりあえず図書館で借りることができます。最近は蔵書をネットで検索できるし、図書館の方に相談すると探してくれたりするので本を探すのはだいぶ楽になりました。たしか私も『好色屋西鶴 下』は最初は図書館で借りてリスト作った記憶があります(その後新書版で出たのを無事入手しました)。「妖花」はたしか通販で手に入れました。「バックシート」「殺怪獣事件」はこの号の野生時代をもっていました。(もちろんこの頃はリストは作ってませんでした、リストを作り始めたのは1999年です)単行本になっている作品を網羅した後に、この「単行本未収録作品」に取り組みました。そこで注目したのが「新聞の縮刷版」です。栗本薫さんが作品を載せる可能性が高いのは「小説現代」「野生時代」「SFマガジン」「小説新潮」と見当をつけて(これをあとで後悔した)、1985年以降のこれらの小説誌の広告を縮刷版で探していきました。発行日は決まっているので10年分ぐらいを1時間ほどでチェックできます。栗本薫さんが作品を載せていれば広告に出ないことはあり得ないので、これで「遠野」「江戸ごのみ」を発見し、国会図書館で複写を入手しました。その後「栗本薫ブックリスト」の新刊が出て「ラストサマー」が抜けているのを知りました。「ミステリマガジン」のチェック漏れが悔やまれます(笑)さすがにこの一冊のために国会図書館に行く時間がとれなかったので、この号の「ミステリマガジン」はネットの古雑誌販売を利用して取り寄せました。

このようにして7年ほどの歳月をかけて「人名リスト」ができあがりました。できあがると…「おお、ミルスが○人いる!」などと楽しめます。それ以外には…あんまり役に立ちません。(笑)あ、プリントアウトして栗本薫さんに贈ったら喜ばれました。そういう意味では役に立ったのかも知れません。これがあるからこのブログを書くネタにも困らないし、うん、やっぱり役に立ちますね「人名リスト」は!
皆様も機会があったら是非挑戦は……しないでしょうね。

やっとこのネタ終わりました、思ったより長かった。
さあ、次はどれにしようかな(笑)

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2006年3月 2日 (木)

人名リストの作り方 その4

登場人物に愛称とかあだながある場合にも、それが誰の愛称なのかわかるように入力しておきます。データ数は増えますが、愛称やあだ名を入力しておくことで、愛称やあだ名、芸名から本名を抽出することもできるようになります。特にグイン・サーガのような長い作品では、1巻のグインと106巻のグインを同じ言葉で表現することはできませんから、それぞれの巻でどのようなことが起きたのかがわかるように項目を記入しています。名前とは別に称号がある場合(ローデス候ロベルト とか クリスタル大公アルド・ナリス)には公式な仕事に関する項目は称号、その人が個人的に行ったことなどは名前で記入する、というようにあるていど基準を作って入力しておきます。まあ、どうせ私しか使わないリストなので基準はかなりあいまいです。
ということで、今現在104~106巻のリストを追加中なのですが、ちょっと困ったのがスーティ君でした。104巻で登場したときは「スーティ」は自分の名前がまだはっきり発音できないからで本当は「シューティー」で本当は「イシュトヴァーン」という名前なのですが。…どれをメインにするかでちょっと悩みました。本当は「シューティー」なんでしょうが、105巻以降ではほぼ「スーティ」で統一されているので、やっぱり「スーティ」がメインなのでしょうね。でも成長すると変わりそうですね。これは前にもあって、途中で名前が変わってしまうとわりと困ります、どっちがメインなのか。マリウス子爵がマルス伯と名乗るようになって、最初のうちはマリウス子爵メインだったのですが、だんだんとマルス伯の期間が長くなってくると「マリウス子爵って誰?」ということになって、そうすると先代マルスと区別できるようにしなくてはいけない…「マルス・オーリウス」ってどっちだ、といわれてもすぐにはわかりませんよね。
と、このような地道なピックアップを約450作品について行います。

まだ続きます、いつ終わるんだろう。

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2006年2月27日 (月)

グイン・ワールドのよくある名前

グイン・ワールドのよくある名前 結果発表(笑)

その1から続きます。
1件ずつ検討しながら同じ人をまとめていった結果です。

1位 ガン……7人(偽名1を含む)
   ラン……7人(偽名1 馬1 ラゴン1を含む)
3位 ルナ……6人
   ミルス…6人
5位 ルカス…5人
   ラム……5人
   ミル……5人
   サン……5人

というのが上位8名でした。ちょっと意外な結果でしたね。「ラン」は「カラヴィアのラン」「ライゴールのラン」の有名サブキャラクターがいますからそれほど意外でもなかったのですが、「ガン」って印象に残ってますか?私は全然残ってませんでした(笑)

7人のガンさん
ガン…オルニウス号の甲板長(『幽霊船』)
ガン…サラエムの商人ガリウスの息子(『アルゴスの黒太子』)
ガン…アレナ通りの傷痍軍人(『ヤヌスの戦い』)
ガン…黒竜将軍公邸の門衛 (『獅子の星座』)
ガン…リーロの近所に住んでいたおじさん(『闇の中の怨霊』)
ガン…マルガにいるナリスの部下(『美しき虜囚』)
ガン…カリナエのナリスの騎士(『嵐のルノリア』)

死亡者と偽名を除いて無理矢理考えれば…アレナ通りの傷痍軍人だったガンさんは、ケイロニアに行き黒竜将軍の公邸の門衛となったが体の調子が悪くなり、ユラニアに移ってリーロの近所に住んでいたが、アルセイスの戦いで家を失い、マルガでナリスの用を勤めた、その功績により騎士に取り立てられた…というのは無理でしょうね(笑)

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2006年2月23日 (木)

「日本の姓の全国順位データベース」

「日本の姓の全国順位データベース」というのがあります。
電話帳をもとに全国の10万の姓をデータベースにしたものだそうです。
全国で上位の名前は栗本薫作品でどのくらい出てくるのかを、人名リストを使って調べてみました。

全国1位 佐藤…作品中の人数 19人
全国2位 鈴木…作品中の人数 11人
全国3位 高橋…作品中の人数 15人
全国4位 田中…作品中の人数 5人
全国5位 渡辺…作品中の人数 5人
全国6位 伊藤…作品中の人数 12人
全国7位 山本…作品中の人数 3人
全国8位 中村…作品中の人数 10人
全国9位 小林…作品中の人数 15人
全国10位 加藤…作品中の人数 18人

「加藤」「小林」が意外に健闘しています。「山本」がなぜか少ないですね。

私の姓は70番台でした(笑)
私のよく知っている人の旧姓はなんと全国で10件しかありませんでした。
「○○」って「大導寺」よりレアな名字なんだ、と妙に感心してしまいました。

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2006年2月21日 (火)

人名リストの作り方 その3

 さて入力です。付箋に従って「名前」「ふりがな」「作品名」「備考」の項目を入力していきます。この入力の時が意外に頭を使います。現代物だと、前半で名字しか出てきていない人が後半でフルネームになったりしますので、その他大勢の人が何回か出てきたときに、同じ姓の人物が同一人物かどうかをその都度判断しながら入力します。

実例をひとつ。
以下はすべて伊集院大介シリーズの『陽気な幽霊』からの引用となります。
ページ数はソフトカバー版のものです(まだ文庫出てないからあたりまえですけど)

眼鏡をかけて、まるで冗談みたいにマンガの怖いPTAママのキャラそのものな、「ドラえもん」の「スネ夫のママ」みたいな顔をしたおばさんが突然手をあげてきんきら声で叫んだ。(121ページ)
どうやらこれはこのツアー最大のうるさがた、ということに決定しそうだった。≪スネ夫のママ≫はまたしても金切り声をあげた。(125ページ)

ここまでで、【≪スネ夫のママ≫…ミステリーツアーの参加者 ツアー最大のうるさがた】という項目が入力されます。備考は出来るだけ簡潔で、しかもどんな人物であるかがわかるように書きます。完全に引用してしまうとかえってわかりにくいので、原典の言葉を出来るだけ生かしながら短くまとめます。

「あの≪スネ夫のママ≫さんのグループはあれは、東京のカルチャーセンターの小説講座で、『推理小説作法』講座をとっているお仲間グループなんだってね。」(131ページ)

と言う記述が出てきますので、【≪スネ夫のママ≫…ミステリーツアーの参加者 ツアー最大のうるさがた 作家志望のおばさん】 というように項目が追加されます。さらに読み進めていくと

 「ああ、杉浦さんたちかい。ありゃあ、なかなか面白いおばさんたちだ。先生、あのおばさんたちと話をなさいましたか。ほら、あの、よく甲高い声で質問するおばさんがリーダーになってる、5人グループだ」(167ページ)

と言う記述から、「杉浦」という名前がわかりますので【杉浦…ミステリーツアーの参加者 ≪スネ夫のママ≫ カルチャーセンターでミステリーの勉強をしている推理作家の卵のおばさん】という項目が新たに付け加えられます。さらにさらに

 「あら、でもそれだけじゃ証拠にならないわよ」
≪スネ夫のママ≫の杉浦女史が云った。
「私、杉浦禎子っていうんですけどね。本当はさだこってよむんですけど、みんなテイちゃんて呼んでましたよ、女学校の時は。」(181ページ)

ここで杉浦女史のフルネームが杉浦禎子と言うことが判明します。さらに愛称がテイちゃんという項目が付け加わりますので、人名リストには杉浦さんのデータが3つ、以下のように入力されることになります。

 ≪スネ夫のママ≫…ミステリーツアーの参加者 ツアー最大のうるさがた 作家志望のおばさん
 杉浦禎子…ミステリーツアーの参加者 ≪スネ夫のママ≫ カルチャーセンターでミステリーの勉強をしている推理作家の卵のおばさん
 テイちゃん…ステリーツアーの参加者 杉浦禎子の女学校の時の愛称

こうやってあらためて書いてみると結構めんどくさい操作をしているんですね(笑)

まだ続きます(笑)

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2006年2月20日 (月)

よくある名前

グイン・サーガでもっともよくある名前はなんでしょう?
 実はこれはかなり難しい問題なのです。私には無敵の人名リスト(自画自賛)がありますから検索処理をすれば数字を出すのは簡単です。ちょっと行集計してみますね、出てくるデータだけならイシュトヴァーンが218件、アルド・ナリスが157件、グインが156件で、それにリンダ、レムス、マリウス、アムネリス、アキレウスと続きます。でも、イシュトは…イシュトですよね、紅の傭兵からゴーラ王になったイシュトヴァーンが218件のほとんどなのです。これを1人と数えたらどうなるでしょう。イシュトはひとり、ナリスもひとり、グインももちろんひとりです。このような人を除いて、あくまでも同じ名前を持った別人が何人いるかを数えてみたらどうなるでしょう。
 これを数えるのは実はがとても難しいのです。たとえば「マル」という名前が3回出てきますが、ひとりはカナンの花売り少女、ひとりはイシュトの小姓、ひとりはケイロニアの兵士ですのでこれは3人と数えることができます。もちろんケイロニアの兵士がイシュトの小姓になった可能性もありますが、まあ、そこまでは考えないこととします。こんな場合もあります、「ロイ」という名前は5回出てきます、このうちチチアの娼家のおやじとヴァレリウスの部下の魔道師は絶対に別人なのでいいのですが、アレナ通りのカロンの友人に「ロイ」が2回出てくるのです。

 路地に身をひそめていたのは、左目が大きな傷口になり、左腕の肘から先のない、友人のもと靴屋のロイであった。(『ヤヌスの戦い』より)

このロイは、このあとカロンやダンたちと、クムへのゲリラ活動について密談しています。そしてイシュトヴァーンとアムネリスによるトーラス奪還、その後、落ち着きを取り戻したトーラスからカロンが旅立とうとするシーンでカロンが言います。

 「おれはまだ腕一本ですんだんだ、とっつあんは目二つ、いやロイやオロなどは、ひとつしかない生命をなくしてるじゃないか」(『モンゴールの復活』より)

この2つのシーンから考えて、ゲリラとして活動したロイは命を失った、すなわち上の「ロイ」は同一人物であると判断できます。
このようにして、全てのデータについて同一人物であるかどうかをチェックして集計し直してみると、グイン・サーガでもっともよくでてくる名前がわかるのです。

その2につづく(笑)